・嚥下困難(物がのみ込みにくい事)は、さまざまな原因でおこります。「物ののみこみ」は、口腔、咽頭、食道の秩序だったスムースな運動により行われており、この一連の運動には、三叉・舌咽・迷走・舌下神経とそれぞれが支配する筋肉が関係しています。その為、口腔から胃の噴門にかけてのいずれかに狭窄を引き起こす局所性病変や周囲からの圧迫病変、あるいは神経麻痺および筋障害などが嚥下困難の原因になります。さらに神経・筋障害では言語障害を伴うことも多いようです。また、食道自体には異常はないにもかかわらず、のどのつかえ感を訴えるものに食道神経症という病気もあります。
一般に神経・筋の障害による嚥下困難は、流動物が鼻に逆流したりむせやすいこと、固形物のほうが飲み込みやすいことが特徴です。また、普段は自覚症状がなくても、食事中に突然詰まり、窒息することもあるため、十分に注意する必要があります。

このような方へのお薬の飲み方や栄養面での食事のとりかたには注意が必要です。特にお薬を服用するときは、かかりつけの薬剤師さんにも遠慮無く相談してみましょう。

●喉越しのよい調理をする為のポイント(栄養が偏らない為に)

1、硬いものはやわらかくなるまで煮込みましょう。

2、ゼラチンや寒天を利用してみましょう。例えば、フルーツはミキサーにかけてゼリー状にしたり、野菜・にんじん・かぼちゃなどもベジタブルゼリーにしてしまう。たんぱく質はプリン・ムース・牛乳寒天などで補うのもよいと思います。

3、くず粉、片栗粉でとろみのついたあんかけ風にして食事をとります。現在では市販の各種とろみをつける製品が販売されておりますので、薬局などで相談してみて下さい。例えば、ごま豆腐・牛乳クリームあん・カスタードクリームあんなど。

4、水分、吸いもの類にもとろみをつけたほうがよい場合が多いです。一般に、さらさらに流動性のよいもの(単なる水分など)は、のみこみにくいのが普通です。

5、卵は蒸したほうが食べやすくなります。山芋を利用したお料理(とろろ状に)も考えに入れましょう。

6、芋類はつぶしてマッシュ状にしてみるのも一つの方法です。

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喉越しの良い食べ物
煮物・シチュー・フルーツ・おじや風のもの

 

喉越しの良くない食べ物
サラサラな水分・(味の濃い〜薄い)飲料水、ジュース、ドリンクなど
パサパサでまとまりにくい食物(例:のり、青菜類)
粘度や弾性の高すぎるもの(例:餅、こんにゃく、かまぼこ、イカ)
歯や口蓋にへばりつきやすいもの(例:食パン、カステラ)
不均一なもの(例:具の入った味噌汁)
唾液を増加させるもの(例:チョコレート)
酸味の強くむせやすいもの
喉につまりやすい種実類(例:ごま、ピーナッツ、大豆)

捕捉として

●嚥下困難な患者さんには、医薬品の服用を問題なく済ませるというのは、なかなか面倒なものです。薬剤師側として錠剤を粉砕しようとしても、そのお薬の効果を発揮させるために工夫(持続性・腸溶性・苦味や刺激の除去)が凝らしてある場合が多いからです。

そこでどんな患者さんでも服用が簡単にできるように、バリアフリー製剤(口腔内速崩錠)がいろいろと開発されてきました。現在では様々な市販品が出て来ました。(もともとは病院内薬剤師が独自に研究し調整されていたことから始まったようです。)この口腔内速崩錠も各メーカーにより独自に工夫が凝らされております。また市販段階にはないものの、バリアフリー製造製剤としてお菓子のグミを利用したものや、チョコレート味にラムネ菓子をイメージさせたような速崩錠「チョコレット」なども院内製剤(病院内薬剤部で製造)で活用されているようです。

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